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「ボケ」は病気なの?認知症ケアの世界は奥が深い!

「認知症」という言葉が出来たのは2004年のことです。旧厚生省の主導のもと「呆け、痴呆が侮べつ的な言葉」とのことから「認知症」という官製新語が生まれました。

ところで、呆けや痴呆は侮べつ的な言葉なのでしょうか。確かに呆けは「バカ」の意味ですから、字面だけをとらえるなら侮べつ的なのかもしれませんが、古くから使われてきた言葉で「色呆け」「欲呆け」「寝ぼけ」「とぼけ」など、少し滑稽でどこかに笑いのある言葉でもあるような気がするのです。「耄碌(もうろく)」も同じような言葉だと思います。

「呆けはやっかいだけど、耄碌したんだからまあしょうがないな」。要するに「呆け=老いる」ということに対して、許容する心の余裕のようなものがあったような気がします。それが「認知症」という言葉に変換された後は、呆け・痴呆はすべて「病気」になってしまいました。

「病気」であれば治療して治したい、予防したいと思うのが人情です。そして誰しも病気にはかかりたくありませんから「認知症にはなりたくない」という忌避の感情が大きくなってしまいました。認知症は病気なのでしょうか?

介護の世界に入って15年。いまだに認知症薬を服用して治ったという人に会ったことはありません。なぜなんだろう。理由は簡単だと思います。呆けの原因は「老い」だからです。老化とは誰にでも起こる自然現象ですから、治療のしようもありません。もちろんアルツハイマー病という脳細胞に異常なタンパク質が蓄積することによって起きる認知症があります。製薬メーカーはしのぎを削って治療薬の開発を進めています。仮に治療薬が完成し脳細胞の異常なタンパク質を除去することができたら、アルツハイマー病は治るのかもしれませんが、老いによる呆けにはなるのだと思います。白髪をいくら黒く染めて、しわを引っ張って伸ばしても、老いることことに変わりないのと同じですね。

認知症のおばあちゃんがそらいろにやってきました。優しそうなおばあちゃんですが、お迎えにいくと「具合が悪くていがんに」と拒否。あれこれなだめすかしても、ダメなものはだめです。自宅ではお風呂に入っておらず、着替えもしていないおばあちゃんですから、週1回のデイで入浴、洗髪、お着替えはマストの状況です。なんとか連れ出そうとすればするほど、難しくなるんですね。早々に施設に戻り女性スタッフにバトンタッチ。30分ほど待っているとさっきの拒否が嘘のようにニコニコ側で「おそくなったない」と挨拶。どうやって行く気になったのかスタッフに聞いてみると、「なんとなく行く気になって、来ちゃいました」。認知症のケアは理屈ではないんだな。お茶を飲んでいるうちに、何
をするわけで はなく、いつも一緒にいるおばあちゃんといつの間にか手を握り合って、 何となくいい
感じで過ごしています。

説得よりも相性、薬よりも旨い食事といいお風呂。認知症は治せないけど、機嫌は治すことができる。介護の世界は奥が深い!

 

 

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おばけサツマイモ‼ 何キロだ?

スタッフの畑で収穫された巨大なサツマイモ。「こんなのみたごどねえ」と利用者たちもビックリです。

さっそく重さ当てクイズに挑戦。実際に手に持ってもらい何キロあるかを考えてもらいました。

「これは5キロもあるかな」「いやいや8キロはあるべ」「そんなにあるべか」。

いろんな数字が出ましたが、果たしても正解は。それにしても芋を持ち上げるみんなの顔のいいこと。

 

 

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【動画】踊る介護

なんだい? 踊んのがい?
いいぞい。
ほんじゃ、こっちにこらんしょ。
はい、手つないでない
はい、らーららーららら~
なんだか自然に身体が動ぐんだない

言葉はいらない? 踊る介護! なんだか楽しい

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「りょうぜん里山がっこう」でお話してきました

先日8月25日、りょうぜん里山がっこうさんの健康長寿サロン「さすけねぇサロン」で、お話ししてきました。

そらいろデイが実践する生活リハビリ。お世話と介護の違い、医療と介護の役割の違い。当たり前の暮らしを当たり前に送ることの大切さ。実感してもらえてよかったです!

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紙芝居師せんべいさん

先月、紙芝居師せんべいさんが、そらいろにやってきました!

地域の子どもたちは、初めての紙芝居にお目々まん丸。

インドヒマヤラ出身のチャンドラーさんの奏でるタブラのリズムとメロディーにお口あんぐり。

お年寄りたちは、懐かしいないと拍手。

最後は水飴にソース煎餅をもらって笑顔、笑顔。

 

 

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お花見会

そらいろデイお花見会。今年も桃畑の中で桃の花に囲まれて開催しました。

天気に恵まれてよかったよかった。満開の花、花、花。桃源郷とはよく言ったものです。

そらいろのふるさと桑折町は献上桃の里なんです。皇室御用達の桃がここから収穫されます。

去年も今年も畑を快く開放してくれた桃農家で牧場を経営する斎藤勘助さん、ありがとうございました。

今年は霜害にならないように祈ってます。

 

 

 

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そらいろ祝1年!芋煮会を開催しました

そらいろデイの看板

そらいろ一周年を祝して芋煮会を開催!

そらいろデイ開設から一年が経ちました。
そらいろの畑と田んぼからとれた里芋、ネギ、大根、白菜と新米コシヒカリの塩にぎり飯で芋煮会を開催しました。
芋煮会で芋を煮ている人
施設に閑古鳥が鳴いていた開設当初のことを思うと、こうしてにぎやかに芋煮会を開けるなんて、夢にも思いませんでした。
施設長と芋煮会参加者
参加してくださった皆さん、ありがとうございました。
それにしても、里芋、柔らかくてうまかった!
来年の2周年記念も、また皆さんと芋煮会でお会いできるのを楽しみにしています!

そらいろでは「終の棲家づくり」のプロジェクトに賛同してくださる方を募集中

そらいろでは地域の方を一緒に「終の棲家づくり」をテーマにした新しい介護コミュニティ創造に向けたさまざまなプランやイベントを企画しています。

その活動に賛同し、一緒に取り組んでくださる方、支援してくださる方を募集中です。年会費という形で3,000円を頂戴し、芋煮会のようなイベントへのご招待、収穫した野菜・果物のプレゼントなどのリターンを計画中です。

興味のある方には資料をお送りしますので、お気軽にお問合せください。

法人名:特定非営利活動法人 そらいろ
代表理事:石幡 亮
所在地:福島県伊達郡桑折町吉沼19
TEL:024-582-3558
FAX:024-582-3558
アクセス:JR東北本線「桑折駅」下車、車で約10分

スタッフさん募集中です!

そらいろでは、「生活の場を大切にした介護」を実施しています。

年齢・経験問いません。
介護スタッフ・看護スタッフ、週2日から週3程度働ける方を募集しています。

詳しくは人材募集をご覧ください。

 

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そらいろの利用者Sさんについて、介護と看取りケア

一切経山
ふるさとの山の一つ、一切経山に登ってきました。そらいろに毎日来ていたSさんの冥福を祈るためです。
一切経山2
Sさんは土曜日の朝方、息を引きとりました。
大変なSさんだったけど、私を含めスタッフにとっても忘れられないケアの毎日だったのを思い出します。
五月初め、地域包括とケアマネさんから、とにかくエライお爺さんがいるんで、なんとかデイに引っ張り出して欲しいと依頼がありました。
さっそく自宅に行ってみると、ホントにエライことになっていました。
ケアマネジャーいらすとや
Sさんは、5年前に前立腺癌全摘。尿カテーテル留置です。当然、カテーテルの先についているはずの尿パックが無い!
尿パックが無ければ、垂れ流し状態になります。衣服はビシャビシャ、炬燵周りもビシャビシャ。激しい尿臭がしていました。
1、2年ほど引きこもり状態となり、この間に認知症も進み、親族たちとも断絶状態となっていました。
朝、お迎えに行くと、昨日、装着した尿パックがハサミで切られていたこともありました。
そんなSさんが、毎日お風呂に入って、食事をして、みんなと話しをして笑う。当たり前の生活を送ることで、次第に表情が柔らかくなり、穏やかになりました。
介護いらすとや
食う寝る飲む出す入る笑う、と言う当たり前の生活を再構築していくことが、認知症薬を飲むことよりもどれほどお年寄りの生き生きにつながるのかをSさんは、私たちに教えてくれました。
そんなSさんが9月の初め、血尿と熱発で救急搬送となり入院しました。一週間ほどで帰ってくる予定でしたが、状態が回復せず、検査の結果、癌の転移が判明。余命数週間程度と宣告されました。
病院の地域連携室とカンファレンスを開き、最終的には本人の帰りたい、そらいろに行きたい、と言う思いを叶えることになりました。
とはいえ、そらいろは通所介護です。夜間の介護体制はありません。そこでそらいろから歩いて5分ほどのところにあるホームホスピスほしぞらさんと介護連携を図ることになりました。
つまり、日中はそらいろで過ごし、夜間はほしぞらさんでケアをする、ということです。
食事介護いらすとや
こうしてSさんの介護と看取りケアの連携が始まりました。
後どれくらいSさんの命があるのか? 退院翌日にはバイタルが安定しているのを見計らって、大好きだったそらいろのお風呂に入りました。ギリギリの状態で素早く上がってきたけど、少し危なかった!
後で看取りケアをやっているほしぞらの看護師からは叱られましたけど、結果的これがSさんの最後のお風呂になりました。
そして退院から9日目の土曜日の朝方、ほしぞらさんで息を引きとりました。
死顔は今まで見たこともないぐらい、穏やかな表情でした。
「俺は今まで博打に酒、女はダメだったけど、好き勝手やってきた。そんな俺がこの歳になって、そらいろで極楽みたいな生活を送っていいんだべが」と言っていたSさん。
黙々と山を登りながら、今度は天国で極楽な生活を送ってほしい。
そうSさんに語りかけていました。