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おもしろ発見さんぽ①

そらいろの故郷に伝わる「長者伝説痕跡」をたどる!

そらいろのふるさとの歴史や地勢などを「ブラタモリ」風に紹介するコーナーです。題して「おもしろ発見さんぽ」。第一回は下郡地区に伝わる「長者伝説」です。

 小さい頃、祖母からこんな話を聞いてきました。「昔このあだりに長者様と呼ばれた大百姓がいでない。田んぼも畑もいっぱい作っていたんだど。ある年、米がとれず餓死する人も出だんだど。長者様は蔵に蓄えてあった米を村のもんたちに分け与えだんだけど、それでも足んなくて、長者様の屋敷につめがけ、ついには屋敷に火をかけ、蔵を壊して米を奪ってしまったんだと。長者様の一家はてんでばらばらになって北の方に落ちていったんだど。その後、この村では蔵を建でると火事になることが何べんも続いたんだ。

これは長者様の祟りじゃとなってない。村のもんたちは長者様の屋敷跡から、竃の石を掘り起こして、祀ったんだと」。

 その竃の石が、現在の下郡曲松にある地蔵堂にあります。「長者供養塔」と言われている祠は、長い年月に晒され、ボロボロとなっており、本当に長者様の竃の石なのかは確認することはできませんが、今もこの周囲に残る地名から長者伝説の痕跡をたどることができます。

 ちょうど現在のライスセンターの南側の地名がなんと「長者畑」。現在は桃畑が広がっています。その西側、阿武隈川の河岸段丘崖に続くあたりに残っている地名が「菜洗場(なあらいば)」です。「長者畑」と「菜洗場」という古くから伝わる地名から、往時の長者様の暮らしと、その畑から収穫された野菜を洗う大勢の家人たちの姿を想像しながら、田んぼ道を歩いてみてください。

長者供養塔

 

長者畑